中井貴一のブログに載った漬物を頬張りながら、Ｍ子は考えていた。
Ｍ子は、結婚活動の真っ最中である。
結婚を視野に入れたお付き合いとなると、相手の年収、学歴、職業などについて考えてしまう。
しかし、と、はた、と、Ｍ子は思った。そもそも自分は何様のつもりなのか。そもそも自分は何プルーンなのか。
相手を品定めする権利なんかあるのかと。
今日は、三島由紀夫が自決した日であるが、あんまり関係ない。
ふと、吉田拓郎の、『イメージの詩』の歌詞を思い出す。

男はどうして　女を求めて
さまよっているんだろう

女はどうして　男を求めて
着飾っているんだろう

こういうことを男の人がギター抱えて歌っていると思うと、男女は肉欲を求めてばかりなのかという悲しみから少し解放される。

来る金曜日も来る金曜日も、合コンに行っては、
ポケットから薄めた青汁のを瓶に詰めたものを取り出して飲んでいる。
こんな風に青汁を飲んだりしていてでも、「それでも君がいい」という王子様には、
会えないと判っているのだが、いつか出会いたいのであろう。
カラオケでは、岡林信康の、「わたしたちの望むものは」を歌う。

わたしたちの望むものは
あなたと生きることではなく
あなたを殺すことなのだ！

という欲望を、合コン相手に受け止めてほしい。
受け止めてくれる相手は、今のところ誰もいない。